最初は親切な対応で好印象の悪質リフォーム業者。
でも、実はこんな結果になることも・・・。
実際にあった例をもとに、悪質リフォーム業者のよくある手口をお教えしましょう。
チャイムが鳴ったので覗いてみると、ドアの外には作業着を着た人がいました。
『無料で住まい診断をしています。よろしかったら、屋根や基礎の具合を点検しますよ』
と言うのでお願いしました。
“彼”は、親切で、非常に一生懸命でした。
汗だくで屋根に上り、点検のついでに雨樋の掃除までしてくれたんです。
「こんなにしてもらって悪いな」と思いました。
“彼”は言いました。
『屋根瓦がずれています』
証拠の写真を見せられました。
大変です。
不安です。
“彼”は言います。
『うちで工事させてもらいますよ』
いつの間にか契約書が目の前にありました。
“彼”は、
『ここに名前を書いてください』
『判子はここですよ』
と書き方を指導します。
契約書は大切なものですから、それを目の前にすると私も恐くなったんです。
誰かに相談してみてから決めようかな、そう“彼”に言うと、
『当社に頼んでくれるなら値引きしますよ』
と言って携帯電話を取り出し、会社に値引き交渉をしていました。
びっくりするような値引き額でした。
それでも一度は断ったんです。
「今は決められないから一度帰ってください」と、勇気を出して言ってみましたが、“彼”は自分の会社に頼むといかに得をするか語ったり、急いで工事をしなければ大変なことになるのだと言ったりして、帰ろうとはしません。
結局私は契約書にサインしました。
いかがでしょうか。
実際に、このような方法で悪質リフォーム業者の被害に遭う方も少なくないようです。
「私はこんな手口にはひっかからない」と思う方も多いはずです。
しかし、そんな方も知らず知らずのうちに相手のペースに巻き込まれて被害に遭ってしまう。
彼らはその道の「プロ」ですから油断は禁物です。
彼らは洗濯物の量や車の種類、表札などを見て、どんな人が暮らしているのかリサーチしてから訪れます。
みんなで相談をしてから契約になる大家族よりも、その人さえうなずけば契約が取れる独居の家を好んで狙います。
必然的に、子どもたちが独立した高齢者の独居宅はよく狙われます。
見た目に古くて、傷みがありそうな一戸建ての家も要注意です。
訪問販売業者に工事を依頼したことのある家にも、二匹目のどじょうを狙って訪れます。
ソーラー温水器やシロアリ駆除のシール、外壁のサイディングや屋根などを見ただけで、業界の人間なら「訪問業者が工事したな」と分かるのです。
スーツでは警戒されますので、作業着のことが多いです。
上が作業着、下がスラックスにスニーカーという格好や、職人さん風に地下足袋にニッカポッカという格好もあります。
パンフレットなどを持たず、手ぶらで訪れる人も多くいます。
耐震診断、屋根や外壁の劣化診断、シロアリ被害、基礎の通風口の網張り点検など様々な「診断」があります。
挨拶だけかと思いきや、挨拶後にお宅もどうですかと怒涛の営業を開始します。
誰もが聞いたことのある公共機関や大手企業の名前を出して安心させることがあります。
相場より格安のキャンペーン価格で工事できると甘い言葉で誘います。
外から見て判断できる屋根、外壁、基礎などのひび割れや劣化を親切そうに指摘します。
高齢者を対象に、介護保険を利用して無料で工事ができると勧める業者がいます。
介護保険での住宅改修工事は、適用される内容が定められており、適用された場合でも最大20万円までの工事の9割、つまり18万円までの支給が限度ですので「タダ」はほとんどあり得ません。
家の人も気付かない床下や天井裏など、普通に暮らしていれば見ることのない場所に入り込み、欠陥を指摘します。
マンションなど集合住宅の場合は、水まわりスペースの欠陥を指摘することが多いようです。
「すぐに直さなければ階下に迷惑がかかりますよ」などと言います。
屋根瓦をわざとずらして写真を撮る、ポケットに入れておいたシロアリを放つといった悪質な手口もあります。
何百万、何十万の単位で値引きを口にすることがありますが、しっかり見積をしていれば、こんなことはあり得ません。
半額にしても損をしないということは、その分を最初から上乗せしているだけなのです。
他の会社と相見積を取られたり、キャンセルされたりするのが恐いので、とにかく急いで契約したがります。
契約をするまで何時間も居座られ、帰ってほしいばかりに契約をしてしまうこともあります。
その場で会社に電話をかけ、値引き交渉をしたり契約が取れたと伝えたりして、断れない雰囲気にすることもあります。
これを業界用語で「客電」といいます。
その日はなんとか帰ってもらっても、何度も足を運んで押しの強さで契約を取る業者もいます。
契約後は、すぐに工事を始めたがります。
キャンセルの時間をとらせないためです。
契約後、または工事中に「ここも」「あそこも」と工事を勧めることもあります。
後から勧められた工事の方が本命で、高額で大掛かりなこともあります。
上記に当てはまれば、それは悪質リフォーム業者である可能性があります。
悪質リフォーム業者の手口を知っておきましょう。
そうすると、簡単にだまされることはありません。
大事な住まいを守るために、参考にしてください。